自然治癒力と免疫
ハリーちゃん
ハリーちゃんかぜをひきやすいのは、免疫力が低いから? 上げる方法ってある?
院長
院長大事なのは、からだにかかる負担と、回復のバランスなんだ。「自然治癒力」や「免疫力」という言葉の中身と、回復を支える習慣をまとめたよ。まずは四コマからどうぞ。
毛布にくるまるハリーちゃん「また かぜ ひいちゃった…」
サプリのびんを見つめるハリーちゃん「免疫力を 上げる サプリって ある…?」
院長「負担と 回復の バランス なんだ」
ぐっすり眠るハリーちゃん「まずは しっかり ねむる」

「自然治癒力」「免疫力」の中身

こぶしを上げるハリーちゃん「免疫力を 上げたい!」
院長「免疫は 上げるより 保つ しくみ なんだ」

自然治癒力・抵抗力・免疫力・回復力。院長も以前は医学用語だと思っていましたが、どれも医学用語としては定義されていないそうです。

「自然治癒力」と呼ばれているものは、医学では大きく3つの働きに分けて考えられています。

1恒常性の維持(ホメオスタシス)体温や体の中の状態を一定に保つ

暑くても寒くても、からだの中をちょうどいい状態に保つ働きです。

2組織の修復骨折や肉離れが治る

傷んだところを作り直す働きです。

3生体防御かぜが治る

皮膚や粘膜の壁と、免疫の働きでからだを守ります。

院長
院長専門家の説明に共通していたのは、免疫は「力」ではなく「システム」ということ。上げるものではなく、システムとして保つことが大事なんだって。

免疫の機能性表示食品が初めて受理されたとき(2020年)の表示も、「健康な人の免疫機能の維持をサポート」でした。上げる・高めるではなく、維持です。

負担と回復のバランス

箱を重ねて運ぶハリーちゃん「負担が たまってる…」
院長「回復が 負担を 上回れば いいんだ」

からだの調子は、かかる負担と、回復する力のせめぎ合いで決まります。肉体・心・人間関係などの負担が、ひとつでも重なっても、回復を上回ると調子は落ちていきます。

院長
院長ストレスは、かけなさすぎてもいけないし、かけすぎたら破綻してしまう。ちょうどいい塩梅を、いつも探る必要があるんだ。
負担動かし方・姿勢・生活習慣・運動の強さ・考え方のくせ・天気・ストレス
回復睡眠・栄養・ほどよい運動・休養・人とのつながり

症状が出ているときは、まず負担を減らします。そして、回復を支える習慣を整えていきましょう。

睡眠という土台

スマホを伏せてあくびするハリーちゃん「夜は スマホを おいて」
朝日をあびるハリーちゃん「朝は 光を あびる」
お風呂につかるハリーちゃん「お風呂は 寝る 1〜2時間前」
院長「まずは 15分ずつ 長く 寝てみよう」

休養、つまり睡眠は、栄養や運動を支える「土台」です。

ふだんの睡眠時間は?
引く夕方以降のカフェイン、お酒、タバコ、寝る前の明るい光
足す朝起きたら光を浴びる。お風呂は寝る1〜2時間前

睡眠の研究は「関係がある」ことを示したもので、眠れば必ず病気を防げると証明したものではありません。

今のからだに合わせた休み方

机から立って伸びをするハリーちゃん「座りっぱなしなら 動かす」
休けいして水を飲むハリーちゃん「動きっぱなしなら 休けいを」

同じ「休む」でも、ふだんの暮らしで勧めることは逆になります。

1デスクワークの方は「動かしてください」座りっぱなしが、いちばんの負担

こまめに立って、からだをまっすぐ伸ばしましょう。

2からだを使う仕事の方は「定期的に休憩を」動きっぱなしが、いちばんの負担

回復の時間を、きちんと予定に入れましょう。

3痛みが強いときは、活動量を落とす痛みが抜けてきたら、痛くない範囲で動かす

日常で症状が出なくなってきたら、段階を踏んで強さを上げていきます。

段階ごとのくわしい目安は4ステージ理論にまとめています。

ほどよく動き、人とつながる

早足で歩くハリーちゃん「ほどよく 動く」
笑い合う院長とハリーちゃん「人と つながる」
1有酸素運動を週5日以上する人は、かぜの日数が43%少なかったアメリカ・1,002人の12週間の調査(2011年)

ほとんど運動しない人(週1日以下)と比べた数字です。ふだんの生活を調べた研究で、関係を示したものです。

2人づきあいの種類が少ない人ほど、かぜを発症しやすかったアメリカ・276人の研究(1997年)

家族・友人・職場・地域の集まりなど、つきあいの種類が1〜3の人は、6以上の人の約4.2倍でした。

院長
院長運動・栄養・休養をしっかりとる。そして社会の中に出ていって、人とつながって、役割を持つ。僕はそれが健康への投資だと思っているよ。

運動は多ければ多いほどよい、というわけではありません。強すぎる運動を長く続けると、かえって調子を崩すことがあります。

ご注意このページの研究は、どれも「関係がある」ことを示したもので、病気にかからなくなるという話ではありません。ワクチンを接種するかどうか、いつ受けるかは、かかりつけの医師とお住まいの自治体の案内でご確認ください。高い熱が続く・息苦しいなどのときは、早めに医療機関を受診してください。
このページのまとめ

免疫は「力」ではなく、保つシステム。
負担を減らし、睡眠を土台に、回復を支える。

回復の土台を整えるなら

量を確保して、質を下げるものを引き算睡眠をくわしく→

出典

Prather AA, et al. Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold. Sleep. 2015;38(9):1353-1359. PubMed

Nieman DC, et al. Upper respiratory tract infection is reduced in physically fit and active adults. Br J Sports Med. 2011;45(12):987-992. PubMed

Cohen S, et al. Social ties and susceptibility to the common cold. JAMA. 1997;277(24):1940-1944. PubMed

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