成長期のスポーツとケガ
ハリーちゃん
ハリーちゃん子どもの足やひざの痛みって、ぜんぶ成長痛でしょ?
院長
院長実は、成長痛と、スポーツで起きる骨の痛みは別ものなんだ。成長期の子どもがスポーツを長く楽しむための考え方を、親御さん・指導者・選手本人に向けてまとめたよ。まずは四コマからどうぞ。
ボールをけるハリーちゃん「サッカー たのしい!」
ひざを押さえるハリーちゃん「ひざの下が いたい…」
院長「痛みの 信号で 練習を 決めよう」
ボールを追いかけるハリーちゃん「長く 続けた もん勝ち!」

成長痛と、骨端症は別もの

夜中にベッドで足をさするハリーちゃん「夜になると 足が いたい…」
院長「成長痛は 成長とは 関係ないと されているんだ」

医学でいう成長痛は、小さい子の両脚に、夕方から夜に起こる痛みです。名前に反して、成長とは関係がないとされています。原因はまだ確定していません。

オーストラリアの4〜6歳の子ども1,445人の調査では、約37%にくり返す脚の痛み(成長痛)がありました。

一方、オスグッド病(ひざの下)やシーバー病(かかと)は「骨端症」と呼ばれます。子どもの骨の出っぱりを、筋肉や腱がくり返し引っぱって痛むもので、こちらは成長期と結びついています。

1痛む時間成長痛 / 骨端症

成長痛は夕方から夜中。骨端症は運動中や運動のあとが多い。

2痛む場所成長痛 / 骨端症

成長痛は脚の筋肉のあたりで、場所がはっきりしない。骨端症は場所が決まっていて、はっきり分かる。

3押すと痛いか成長痛 / 骨端症

成長痛は押してもあまり痛くない。骨端症は押すと痛い。

4見た目成長痛 / 骨端症

成長痛は見た目に変化がない。骨端症は出っぱりや腫れがあることもある。

成長痛で片づけないで次のようなときは成長痛ではないかもしれません。医療機関を受診してください。
片方の脚だけ、いつも同じ場所が痛い/朝や昼間も痛い/日に日に強くなる/足を引きずる・歩きたがらない/関節が腫れている・赤い・熱い/熱がある・体重が減る・顔色が悪い・あざができやすい/ある1点を押すと強く痛がる

痛みの信号で、練習を決める

朝すっきり起きるハリーちゃん「青:朝には 痛くない」
ジャンプせずにパスするハリーちゃん「黄:痛む 動きだけ 減らす」
ベンチで休むハリーちゃん「赤:今は 練習を 休む」
院長「痛み止めで 痛みを かくさない」

オスグッド病やシーバー病のときは、痛かったら完全に休むのでも、痛みを無視して続けるのでもありません。痛みの程度を目安に、調整しながら続けるのが今の主流の考え方です。

いまの痛みに近いのは?
1痛みを我慢して続けると、治るまでが延びる悪化したり、かばってほかの場所を痛めたり

痛いところをかばうと動き方が変わり、ほかの場所に負担がかかります。

2何年も痛みが続くことがあるデンマークの研究

オスグッド病と診断された子の約6割が、2〜6年後もひざの痛みを抱えていました。

3完全に休むと、体力・筋力が落ちるチームから離れてしまうことも

だから「痛む動きだけ減らす」という調整がよく使われています。

院長
院長痛み止めを飲んで試合に出ると、痛みという目安が見えなくなる。よろしくないと思うな。

伸びる時期は、人それぞれ

壁で背を比べるハリーちゃん「まわりより 小さいかも…」
院長「伸びる 時期は 人それぞれ」

身長がいちばん伸びる時期を、PHVと呼びます。

日本サッカー協会より

日本人男子では、平均的には12〜13歳ころ。
早ければ10歳、遅ければ16歳と、大きな個人差があります。

同じ学年でも、からだの成長は何年も違うことがあります。日本サッカー協会は、目先の勝利ではなく、一人の選手が大人になったときにどれだけ伸びるかを、育成の第一の目的にしています。

院長
院長どこで伸びるか分からない。親御さんも指導者も、そう思って見守ってほしいな。

練習しない時間も、育成

ぐっすり眠るハリーちゃん「しっかり ねむる」
ごはんを食べるハリーちゃん「しっかり たべる」
眠る成長ホルモンは、深い眠りに入ったところで多く出ます。寝る時刻が遅れると、その山も遅れます。
食べる練習で使うエネルギーに、食事が追いつくように。
早めに相談痛みのサインには、早めに対応する。

睡眠の研究は、たくさん眠れば身長が伸びる、と示したものではありません。

スポーツは、長く続けたもん勝ち

院長「決めるのは きみ自身だよ」
ボールを抱えるハリーちゃん「スポーツは ずっと たのしい」
院長
院長「次の大会が最後」とは思ってほしくないんだ。スポーツは、長くやればやるほど楽しくなるから。ケガをしたときは一度ぜんぶ受け入れて、まず治すことに全力を。
院長
院長トレーナー時代に感じたのは、うまくなりすぎれば、ケガはしづらくなるということ。余裕がなくなるとケガをするんだな、と。自己管理と、うまくなること。どちらも大事なんだ。

どうするかを最後に決めるのは、選手本人です。当院では、からだの状態と選べる道を説明して、一緒に考えます。

このページのまとめ

成長痛と骨端症は別もの。痛みの信号で練習を調整する。
伸びる時期は人それぞれ。スポーツは長く続けたもん勝ち。

ケガのあとの戻り方は

今の状態に合わせて、やっていいことが変わる4ステージ理論→

出典

Evans AM, Scutter SD. Prevalence of "growing pains" in young children. J Pediatr. 2004;145(2):255-258. PubMed

Guldhammer C, et al. Long-term Prognosis and Impact of Osgood-Schlatter Disease 4 Years After Diagnosis: A Retrospective Study. Orthop J Sports Med. 2019;7(10):2325967119878136. PubMed

日本サッカー協会「育成年代向け成長のモニタリング」 JFA

日本サッカー協会「選手育成のコンセプト」 JFA

Takahashi Y, Kipnis DM, Daughaday WH. Growth hormone secretion during sleep. J Clin Invest. 1968;47(9):2079-2090. PubMed

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