アルコールと健康
ハリーちゃん
ハリーちゃん「酒は百薬の長」っていうよね?
院長
院長「酒は百薬の長、されど万病のもと」。今の研究からわかっていることをもとに、お酒との上手な付き合い方を一緒に考えよう。まずは四コマからどうぞ。
ジョッキで乾杯するハリーちゃん「お酒は 百薬の長 でしょ?」
二日酔いで頭を抱えるハリーちゃん「あたまが いたい…」
院長「少しの量でも リスクは あるんだ」
小さなグラスと水を前にしたハリーちゃん「量は じぶんで 決めよう」

一番怖いのは「依存性」

夜にひとりで飲み続けるハリーちゃん「もう 1杯… また 1杯…」
院長「意志ではなく 脳の はたらきの 問題なんだ」
院長
院長アルコール最大の特徴は、ゆっくりと進む依存性。これは意志の問題ではなく、脳の働きの問題であることが医学的にわかっているんだ。当てはまるものにチェックしてみて。
依存のセルフチェック

当てはまるものを、タップしてチェックしてください。

1量が徐々に増える同じ満足感に、少しずつ多くの量が必要に
2耐性がついて酔わなくなる「強くなった」のではなく、脳が慣れてしまった状態
3自分で量を決められない「今日は1杯だけ」と思っても止まらない
4休肝日が作れない「飲まない日」を意識して作れなくなったら要注意

どれくらいで「危険ライン」?

ビールの中瓶を持つハリーちゃん「1日 これくらいなら だいじょうぶ?」
院長「『20gまでは 安全』という 意味ではないんだ」

日本の基準では、純アルコール20gが、おおよそ「1日分のリスク量」とされています。お酒の種類別に換算するとこうなります。

1ビール中瓶1本(500ml)
2日本酒1合(180ml)
3ワイングラス2杯(200ml)
4焼酎(25%)コップ半分(100ml)
院長
院長ただし、「20gまでは安全」という意味ではないんだ。近年の大規模研究では、20g以下でも、がんや高血圧のリスクは有意に上がると報告されているよ。「少しなら健康にいい」という古い説は、過去の解析の偏りが原因とわかって、今は「健康のために飲むメリットはほぼない」という流れに変わっているんだ。

アルコールは体内で何をしているか

顔が赤くなったハリーちゃん「すこしで 顔が まっか…」
院長「日本人の 約4割は 分解が にがてなんだ」

飲んだお酒(エタノール)は、胃と小腸で吸収されて肝臓で分解されます。

その分解の途中で生まれる物質が、二日酔いやがんリスクの正体です。

①エタノール → アセトアルデヒド(強い毒性)
②アセトアルデヒド → 酢酸 → 水と二酸化炭素

このアセトアルデヒドが、顔の赤み・動悸・頭痛・二日酔いの原因です。

さらに重要なのは、アセトアルデヒドには発がん性が確認されていること。

日本人の約4割は、アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の活性が遺伝的に弱いタイプ。

つまり同じ量を飲んでも、欧米人より体への負担が大きいのです。

「お酒の良い面」はどこまで本当?

赤ワインを掲げるハリーちゃん「赤ワインは からだに いいんでしょ?」
院長「いまは そうとは 言われていないんだ」
昔のイメージ適度な飲酒は心臓に良い/赤ワインは健康にいい/少量はストレス発散になる
現在のエビデンス心疾患予防効果はバイアスによる見かけ/赤ワインの効果はほぼプラセボ級/メリット>リスクではない

なぜ昔の研究は「良い面」を示してしまったのか。

「お酒を飲まない人」のグループに、病気で飲めなくなった人が混ざっていたためです。

少量飲酒のグループのほうが「健康に見えた」だけ、というのが現在の解釈です。

楽しみとしての飲酒は残るが、「健康のために飲む理由」は消えつつある。これが現在の医学の見方です。

アルコールの5つの健康リスク

空き缶を前に心配そうなハリーちゃん「からだの あちこちに…」
院長「少ない量から リスクは 上がっていくんだ」

エビデンスが特に強い5つの分野です。共通するのは「少量からリスクが上がる」という点です。

1がんリスク(最重要)少量からでも複数のがんリスクが上昇

食道がん・大腸がん・乳がん(女性)・口腔・咽頭がん・肝臓がん。

特に乳がん・大腸がんは1杯(純アルコール10g前後)でも有意にリスクが上がるというデータがあります。

2心血管系・高血圧「少量なら心臓に良い」は否定されつつある

血圧上昇・脂質異常・不整脈(特に心房細動)・脳出血リスクの増加。

最近の研究では、ほとんど利益は見いだされず、むしろリスク側のデータが目立ちます。

3肝臓・膵臓沈黙の臓器のダメージは気づきにくい

脂肪肝・アルコール性肝炎・肝硬変・肝がん・急性膵炎。

肝臓は痛みを出さない臓器のため、自覚症状が出たときには進行していることが多いです。

4脳・認知症アルコールは神経毒

脳の萎縮・記憶力の低下・認知症リスク上昇。飲酒量と認知症リスクは、少量から直線的に上がるという研究もあります。

5メンタル・睡眠寝酒は眠れているようで逆効果

不安感の増強・抑うつ傾向・睡眠の質低下(途中覚醒・浅い眠り)・翌日のだるさや集中力低下。

飲酒は寝つきは早めますが、深い眠りを減らし、途中で目が覚めやすくなります。

今日からできる「飲み方の工夫」

お茶を飲むハリーちゃん「きょうは 休肝日」
食事と水を一緒にとるハリーちゃん「食事と いっしょに、お水も」
夕方にジョギングするハリーちゃん「ストレス発散は お酒以外でも」
両手をあげるハリーちゃん「量を じぶんで えらべた!」
院長
院長「やめる」ではなく「どう付き合うか」。量を減らすだけで、健康リスクは確実に下がるよ。
1週2日は休肝日連続飲酒は依存を進めやすい
2家にストックを置きすぎないあれば飲んでしまうのが人間
3食事と一緒に飲む空腹だと吸収が早く、肝臓の負担も大きい
4先に杯数を決める「3杯まで」など、飲み始める前に
5水を一緒に飲む1杯につき同量の水で、脱水と二日酔いを軽く
6お酒以外のストレス発散運動・趣味・お風呂など、別のルートを1つ
このページのまとめ

0か100かではなく、
「飲まないメリット」と「飲む楽しさ」を知ったうえで、自分で量を選ぶ。

和からだみなおし処では、飲酒量と関連する睡眠・疲労・自律神経などの体調変化についても、ご相談を承っています。

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